インフレとデフレ

 

 

 

例えば、りんごが1つ100円で売られていたとします。

 

 

 

 


明日には110円になるとすると、極端ですがこれはいわゆるインフレーションの状況です。逆に、90円になっていたとするとお分かりの通り、デフレーションです。

 

 

 

 

 

つまり、『物の価格』=『物価』がある期間において上昇する現象をインフレーション(インフレ)、下落する現象をデフレーション(デフレ)と呼びます。

 

 

 

 

 

私達消費者からすると、待てば待つだけ価格が下がるデフレーションの方が良いような気がしますが、「景気を良くしたい」人たちにとってはあまり都合の良いものではありません。

 

 

 

 

 


なぜなら、明日90円、明後日80円と価格が下がっていく場合、待てば待つだけ安く買えることになるので『もうちょっと安くなってから買えばいいかな。』と考える人が多くなります。そうなると、消費が促進されない為、景気が良くならないと考えられています。

 

 

 

 

 

 

私が物心着く頃にはバブルが崩壊しており、長引く不景気、いわゆる「失われた10年」「失われた20年」に突入していった訳ですが、この期間においてはデフレーションの状態が続いていました。

 

 

 

 

 

 

ですから、売れないものが『10%割引』『20%割引!『半額!!』となっていることはあっても、価格が上がるなんて考えたこともありません。何か買いたいものがあっても『もう少し待って、安くなってから買おう。。』というのが当たり前になっています。先述した通り、これでは誰もお金を積極的に使いたがらないですし、企業も利益を上げるのが大変です。

 

 

 

 

 

 


これとは反対に、インフレーションの状況では、明日110円、明後日120円と価格が上がっていく為『早く買わないとどんどん高くなってしまう!よし、今日買うしかない!!』となり、消費が促されます。バブルの時代がまさにこれです。

 

 

 

 

 

 

 

 

バブルの時代には「土地転がし」が盛んでした。平野ノラさんの「土地と男を転がすわ!」にもありましたね。簡単にいうと、安く買った土地を高く売ることですが、物の価格=不動産の価格がどんどん上がっていた為、今よりずっと容易に転がすことができたでしょう。長年、不動産仲介業を営んでいる方から聞いた話ですが、午前に買った土地を、午後には価格を上乗せして売却した人もいるそうです。転がしていた人も不動産屋さんもさぞ儲かったことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

もう死語になってしまいましたが「土地神話」という言葉の通り、誰もが土地の価格は上がり続けると信じて疑わなかったからこそ、消費が促され、価格が上がった訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで見ると、

 

 

『じゃあ、結局インフレの方がいいんじゃないの?』

 

 

 

 

 

 

 

と思う方も多いかもしれませんが、物価の上昇と不景気が共存する“スタグフレーション”という現象も起こりうる為、どちらが良いのかというのは一概に言えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも、デフレ状態をインフレにすれば景気が良くなると考える人は多くいて、リフレ派なんて呼ばれたりします。安倍首相もそのひとり(と言われています。)で、マイルドでトレンディーなインフレを起こして景気回復を実現しようとしています。いわゆる「アベノミクス」ですね。

 

 

 

 

 

 

 

次回は、アベノミクス前後で何が変わったのか書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、個人的な意見ですが、日本は社会として成熟していますし人口も増える見込みが無い為、インフレを定着させて好景気を生み出すのは難しいと思っています。一方で、世界に目を向けると人口は増え続け、これから日本のバブルの様な経験をする国も沢山あると思いますが、資源はいつまで持つのでしょうか。

 

ともすると、デフレで好景気を実現する為の施策の方が世のため人のためになる気がしています。「じゃあ、具体的なアイディア出せよ!」と言われてしまいそうですが。。

 

 

 

 

それは宿題にさせて下さい。

 あとトレンディーなインフレは冗談です。